オーガニック

Organic 2006

Tribal Art Museum
パリにまた新しい美術館がオープンした。それは「他者に視線を向ける美術館」と定義されたMusee du Quai Branly(ケ・ブランリ美術館)。
シラク大統領のプロジェクトとして、エッフェル塔のすぐ横、セーヌ川のほとりに建てられたこの美術館はガラス壁と未来的な立方体の建物が樹木と緑で囲まれている。そして、建築家ジャン・ヌーヴェル氏の設計によるこの美術館は十分に自然を意識させてくれる。
ケ・ブランリ美術館は通常の美術館と違い異国の美術品を展示している。おもにアフリカ、アジア、オセアニアなどの固有の美術品が30万点展示されている。たいていの美術館はその国固有の美術品を展示するが、ここにはフランス固有のものはない。そして、フランスが植民地として統治していた地域の品々が多数を占めている。
何人かの歴史家や人権運動家はそれらの展示はアフリカやアジアに向けた旧い植民地主義を永続させると言い、美術館を訪れる人に対して植民地政策による被害などがまったく説明されていないとも批判した。
過去の植民地時代の傷跡を癒し、フランスで多民族の国家を受け入れるべきか議論されている最中、ケ・ブランリ美術館は6月23日に一般に開かれる。
20 Jun 2006