オーガニック

Organic 2006

Train Surfers
南アフリカはヨハネスブルグの通勤電車で今、無謀な危険行為が若者の間で流行っている。「落ちる事もあるだろうけど、そのときはママに電話して医者に連れて行ってもらうよ」と、背の高いトレイン・サーファーの1人、19才のサボは答える。
通勤電車の上に立ち、橋をくぐり、高圧電線を避ける自殺行為は最も危険とされ、さらには電車がトンネルを通過中にドアから身を振り出すといったトリックまである。一般的に行われている事は電車が動き出すと同時に飛び下りたり、飛び乗ったりすることだ。
もし、死んだらどうする?「家族は悲しみ、俺は埋葬されるだろう」「そして、また生まれ代わるのさ」「もしかしたら白人になるかもしれないな」と、サボは仲間を笑わせた。
ヨハネスブルグでトレイン・サーフィンが急増したのは警備員のストライキが長引いた為。もう一人のトレイン・サーファー、レボハンは少女たちにその姿を見せて得意になっていたと言う。
一方、電車から落ちた15才のデスモンドは母親と祖母に介護されながら病院で横たわっている。彼の腕は部位感覚を失いベッドのレールに繋がれたまま。入院して数週間、徐々に回復はしているものの、彼はいまだに話をする事ができない。ひどい脳しんとうと頭皮の大部分を剥がされて病院にかつぎこまれたデスモンドを祖母は見る事ができなかった。
鉄道会社の教育プロジェクト・マネージャーは列車がどれほど危険なものかについて子供達に話をするために各学校を訪問したが、思った効果は得られなかった。
子供支援グループ「Childline」のカウンセラーは「近年、家庭内暴力など家では様々な事が起こり、子供達の権利はあちこちに左右される」「子供達は自分自身を証明するためにあえて危険な事に手を出し周囲の注意を引こうとする」「それは誰が誰より強いのかを見つける仲間のプレッシャーで有り得る」と説明する。
「人生なんてあっけないもの」「子供達が死の可能性を無視するとき、それは虚勢ではないのだ」「それを見逃してはいけない」と忠告した。
警備員のストライキが終わっている今、事件は少なくなるかもしれない。しかし、リスクを喜んで受け入れるティーンエージャーは無くならないだろう。悲惨な結果を繰り返さない為にも大人たちの努力が必要だ。
27 Jun 2006