オーガニック

Organic 2006

Cambodians bamboo trains
カンボジアの旅行者は世界でも珍しいその鉄道ネットワークを利用しなければならない。
一週間にたった一本の列車。時には、歩いた方のがまだましだと言われているカンボジアの地方鉄道。そこでバタンボン(Battambang)に近い北西部の人たちは自らの手で鉄道サービスを造り出した。
「ノリス」または「ロリス」と呼ばれているその乗り物は旅行者にはバンブー・トレイン(bamboo trains)として知られている。四つの車輪の上には平らな竹材で作った荷台にござむしろが敷いてあるだけ。動力は小さな電動モーター。掴まる手摺すらないかなりスリリングな乗り物だ。
バンブー・トレインの最高時速は約40km/h。曲がりくねったレールの上を身体を揺らせながら走って行く。10年のベテランで18才の運転手ソクは安全な乗り物だと主張する。「僕達はレールを横切る子供達や動物に細心の注意を払って運転しているんだ」「他の列車が来れば速度も落とすしね」と、運賃が安くて、サービスは気まぐれなバンブー・トレインの運転手は言う。
もちろん鉄道は単線。前方から他の列車が来た場合は積み荷が軽い方の列車を線路から降ろして他方を通過させる。
バンブー・トレインは公的なものではない。公式の鉄道はクメール・ルージュによる破壊工作と内戦の数十年間に生き残った。しかし、メインテナンスされないままその通行料だけは徴収されている。
最近の時刻表をみてもプノンペン(Phnom Penh)行きの列車は週に一本。列車の安全性にも問題がある。地元の人々にはバンブー・トレインしか選択できないのだ。
ある女性は「オートバイタクシーは早すぎて乱暴。ときどき目がくらんで振り落とされそうになるの」「その点、ノリスは安全で、座りながら眠ってしまうこともあるわ」「収穫したライチや家を建てる建材などもバイクでは運べないしね」と語る。
カンボジアの鉄道局は2010年までにレールを完全に修復したいと言っているが、具体的な策はないようだ。それはそれで、まだまだバンブー・トレインを楽しめると言う事だろう。
4 Jul 2006