オーガニック

Organic 2006

Million bomblets
国連の爆弾処理機関は紛争が終結したレバノン南部にはイスラエル軍が発射したクラスター爆弾の不発弾が100万発以上残されていると報告した。
その数はイスラエル軍によって使用されたクラスター爆弾の約40%を示す。これは当初の予想の3倍であった。この事実で20万人近い非難住民の帰還は少なくとも2年は待たされると予想される。
もともと、クラスター爆弾は中に詰め込まれている数十個から数百個の子弾を広範囲に散布させる仕組みになっていて、不発弾も多い。そのため非戦闘員に被害をあたえる危険性も高く、戦後復興の重大な障害となっている。コソボ、アフガニスタン、イラクなどでも不発弾の処理が問題となり、国際赤十字、アムネスティーなどから非人道兵器として使用中止を求められている爆弾だ。レバノン南部でも停戦後からすでに14人の犠牲者を出している。
国連人道委員会はイスラエルがクラスター爆弾の使用情報を開示できないとして、同国を告発。しかし、イスラエル側はその使用は国際法に違反していないと反論している。
34日間の紛争でイスラエルは6,000発以上の爆弾やロケット、大砲などをレバノンに打ち込んだ。爆弾処理機関のクリス・クラーク氏はすでに4万発のクラスター爆弾の子弾を除去したが、ワイヤー・フェンスや垣根、木の枝に引っ掛かっている不発弾が数多く残されていると報告。国連難民高等弁務官は「これらは明らかに民間の生活にとって大きな脅威である」と語る。
クラスター爆弾は空中で爆発し散布される。散布パターンの予測が困難で、高度が高過ぎれば子弾は広がりすぎ、低過ぎれば攻撃範囲をカバーできない。不発弾はそのまま対人地雷となり、子供達は見たこともない缶ジュースほどの大きさの子弾に手を出してしまう。それでもクラスター爆弾は国際法で禁止されない。
26 Sep 2006