オーガニック

Organic 2006

"Unbowed" Maathai's autobiography
アフリカ人女性初のノーベル平和賞受賞者として知られているケニアの環境保護活動家ワンガリ・マータイ(Wangari Maathai)さんの自叙伝が発行される。
自国で植林活動「グリーンベルト運動」を始め、昨年の愛知万博では「もったいない」という合言葉を唱和したマータイさんはこの本で人々に希望を与えられることを望んでいる。
これまで環境保護に関する本などを書き上げて来た彼女だが、この本では暗い投獄生活から自分がどのように立ち直り、世界に絶賛されるようになったかを積極的な行動経験をたどりながら語っている。
「若い人たち、とりわけ私のような農村出身の人たちでも何かができると感じてほしい」「目の前のどんなチャンスでも利用しなければならない」
マータイさんは個人的に離婚はもっとも辛い経験だったと語る。しかし、独裁政権下で投獄されたことも非常に困難だったと言う。「私の小さな子供達は母親が刑務所に入れられたことは解っていたけれど、それがなぜだか理解できる年齢ではなかった」
1980年代、彼女は山林伐採に対して反対運動をしたという罪で度々逮捕された。女性看守に髪を切られ、不潔で湿っぽく、うすら寒い獄中生活は決して受け入れられるものではない。しかし、それは自分で正しいと信じて行動した結果だと彼女は言う。
「人生は時に楽しいものであり、時に痛々しいもの」「大切なことは最善を尽くすことで、それが私のしてきたこと」とマータイさんは語る。
3千万本の植林活動に貧しい女性達を動員した「グリーンベルト運動」は他の国の手本とされ、2001年に彼女は国会議員に選出された。環境・天然資源・野生動物省の副大臣を務める今も彼女の活動は止まることはない。
3 Oct 2006