オーガニック

Organic 2006

High hopes of young Vietnamese
ベトナム戦争が終結し、南北が統一されてから30年。彼らは苦しめられた過去の痕跡を振りはらって急激な経済成長を成し遂げている。
成功した起業家、30才のアラン・ドウンさんもそんなベトナムの新しい世代のひとりである。ファッションデザイナーの彼女は流ちょうな英語を話し、世界をまたにかける。今のベトナムは8千3百万の人口の60%が彼女のような戦後生まれ。そんな彼女たちにはベトナムが残した暗い影は見あたらない。
「ベトナムの未来は明るく、ビジネスをするには今は最も良い時」と語るドウンさん。1993年には人口の58%が貧困層にあったが、2004年には20%以下に減少。過去5年間、毎年8%近くの経済成長を成し遂げているベトナムの変化は統計によっても証明されている。
ハノイから30Km離れた比較的貧しい村に夫と2人で住むニューエン・ティ・ハさんも例外ではない。彼女は数週間おきにハノイに出て来てパパイヤやバナナを売り、毎回約25ドル相当の収入を得ている。「生活はまだ苦しいが、以前よりもずっと良くなっている」「今はテレビを持つようになって、次に欲しいものは携帯電話」と彼女は未来に希望を持って語る。
33才の建築家ビン・ティエンさんは、1990年代の中ごろに彼が仕事を始めたときは民間にはほとんど仕事がなかったと言う。つい最近までベトナムの普通の親は子供が役人になることを望んでいた。しかし、今の若者はダイナミックな国際ビジネスに身を投じたいと考えている。
そんなベトナムの経済成長にも問題がない訳ではない。農村から都市へと出稼ぎに出る人々。人が少なくなった農地が産業用地に乗っ取られ、それらの被害を受けるのは年をとった無欲な人々である。とくに山岳地帯の少数民族たちの貧困レベルは悪化しているという。
それでも大多数のベトナム人が未来に楽観的なのは疑いがない。今のベトナムの若者は使用人としてではなく、自ら英語やフランス語を話し、お金を稼ぎ、インターナショナルなライフスタイルを望んでいる。
27 Nov 2006