オーガニック

Organic 2006

Urban Organic Kitchen
アナ・ラッペ女史にとって食物活動家になることは自然と受け継がれたものであった。父は医学論理学者、毒物学者でもあるマルク・ラッペ博士。母は「Diet for a Small Planet」(小さな惑星の緑の食卓)の著者でもあるフランセス・ムーア・ラッペ女史である。その系譜を受けたアナは後に母親と「Small Planet Institute」「Small Planet Fund」を共同設立し、先頃「Grub」を共同執筆した。
ブルックリンのフォート・グリーンに住む32才のアナ・ラッペ女史はウィル・キース・ケロッグ財団の理事も務めている。彼女は本の中で不そんする農業の終結と有機的に食することの重要性を力説し、果糖の高いコーンシロップやトランス脂肪酸、ファースト・フードの危険性を指摘する。
もちろん彼女自身ファースト・フードを利用したことがない訳ではない。しかし、アナは「私たちがどんな食物に金銭を支払うかによって大きな違いが生じる」「今日食することはすべての生物の必要不可欠な行為であり、同時にそれは間違いなく政治的行為でもある」と述べる。大手食品会社が塩分や糖分の高い高脂肪ジャンクフードの広告キャンペーンに使用する資金は私たちのお金なのである。
石油ベースの化学肥料に殺虫剤、その輸送手段に大量のガソリンまでも浪費する現在の我々の食のシステムはあまりにも石油に頼り過ぎている。根本的な農業のやり方を変えないで世界に食を供給できると考えるのはあまりにも単純すぎるのだ。
アナの母フランシスはその著書でこう述べている。「8オンス(226.8g)のステーキが置かれたテーブルにつくと想像してみてほしい」「それから、空のうつわを前にした45人から50人の人間がいる部屋を思い浮かべる」「今あなたが食べようとしているステーキを飼養するのに必要な飼料は、その人達のうつわを調理された穀類で一杯に満たす量と同じである」
ある有機農業を営む人はいう。「人間の欲望は無限で、便利さをいつも追求している」「今飢えている人々のこと、未来の子供たちが住む地球環境のことを憂い、本気で行動することは便利さを放棄することにつながる」「今の生活スタイルをすべて変えることは不可能である」「よって多くの人々が価値観を変え、少しでも便利さを放棄するしかない」
12 Dec 2006