オーガニック

Organic 2007

Demand sparks in India
インドのエネルギー需要は今後15年間で現在の3倍になると推定されている。そんなインドにロシアが4つの原子炉を作ることに合意した。
インド最大の都市マハーラーシュトラ州の州都であるムンバイでは1日中電力が途絶えることはない。しかし、そこから2時間もドライブすれば状況は一変する。夜になるとランタンの灯りだけが点々とする暗く静まり返った村々。そこには小さな灯りのもとで子供達が勉強している姿がある。サンガム村に住むラオさんは毎晩ランタンの灯りのもとで13才の娘の勉強をみるのが日課となった。
これらマハーラーシュトラ州の停電は急成長しているインド経済のエネルギー需要による電力不足によって引起こされている。停電は長いときで1日14時間。「我々は1日平均8時間は電力をカットされている」「灌漑用のポンプも動かすことができず、子供達は毎晩ランタンの灯りで勉強している」「それは非常に堪え難いことだ」とラオさんはいう。
多くの発展しているアジアの国々と同様にインドもエネルギー問題をかかえている。しかし、その人口の多さと経済成長の早さが現在のような事態にさせてしまった。大量の石炭を保有していたインドはエネルギーの3分の2を火力発電に、残りは水力発電に頼っている。石炭が減少し、エネルギーの需要が急速に延びているいま、インドは原子炉の建設へと踏み切った。
最近の報告ではインド経済は2050年までに世界第2位の経済大国に成長すると言われている。しかし、その大きな経済を動かすには膨大なエネルギーを供給しなければならない。経済成長の灯りを消さないさめにも、ほかのエネルギー源を見つけることはインドにとって欠くことのできない問題だが、それが原子炉だけとはいささか安易な発想に思える。
27 Jan 2007