オーガニック

<Organic 2007

Eco-lodge saves forest and culture
アマゾン熱帯雨林の奥地に住む原住民が先祖代々の土地を守るためにエコ観光プロジェクトを引き継いでいる。
国民の3分の2が貧困層と言われるエクアドル。その南東部(Eastern Amazonian lowlands)でのプロジェクトは同じような問題を抱える地域共同体への青写真と言えるだろう。
20才のアチュアル族のエンジェルさんは彼の妻と1才の娘を養うためにカパウィ・エコ・ロッジ(Kapawi Eco-lodge)のガイドになった。月に150ドルの収入を得ている彼は将来、ロッジの運営をマネージメントするための勉強をしたいという。
カパウィ・ロッジは1996年に建設され、2室の高床式のキャビンが20棟建てられている。このロッジの開発はアメリカ大陸で最初の原住民と共同の計画であり、15年間でアチュアル族をロッジの経営主体に育て上げて、 2011年にはすべてをアチュアル族に任せるという国家プロジェクトだ。
ロッジのエネルギー・システムは太陽熱発電で、部屋の電球は12Vの豆電球のようなもの。シャワー室の温水供給も水を入れた黒いバッグを木道の上で並べて太陽熱で温めるという単純な方法で、曇った日には温水はできない。
現在はロッジの従業員の65%がアチュアル族。そのプロジェクトはようやくお金を使うことに慣れてきた地元住民の経済をサポートしているが、それは仕事を供給しているだけではない。世界でも多種多様の生物が生息するアマゾンのゲートウェイで、アチュアル族の固有文化を石油産業から守っているのである。
「アチュアル族は熱帯雨林の破壊を望んではいないし、これが環境にも我々自身にとっても良いことなのだ」とNAE(the Nationality of Achuar Ecuador)のカレーラさん。
カパウィ・ロッジで新しいキャリアをスタートさせたエンジェルさんも「私にとっては仕事だけの問題ではない」「エコ・ロッジは森林と我々の文化を守ってくれる」という。
23 Feb 2007