オーガニック

Organic 2008

World's oldest tree
世界最古の木がスウェーデンのダーラナ州フュール山で発見された。そのモミの木の樹齢は推定9,950年。木は長い間まっすぐにそびえ立った木と低木の間に中石器時代から粘り強く劇的な気候の変化に耐えてきたことになる。
そのモミの木はまだ細く、見た目では樹齢1万年近い木にはは見えない。モミの木の茎や幹の寿命は約600年と言われているが、それが死滅すると新しいクローンの茎が根から生えてくる。今回発見されたモミの木は9,950年前と同じ遺伝子を持っていると炭素14年代測定法でわかった。
スウェーデンの山脈ではモミの木は相対的に新しい木と見なされていが、それは最も古い木の一つであるとウーメオ大学自然地理学の教授はいう。
現在ギネスブックにある世界最古の木はカリフォルニアのホワイト・マウンテンにある松の木で4,768年と言われているが、北方のラップランドからダーラナ州にかけて樹齢8,000年以上のモミの木が20本ちかくあると同教授は語った。
炭素14年代測定法
炭素14は、放射性炭素とも呼ばれ、電子(β線)を放出し、壊れて窒素14原子に変わります(この現象を放射性崩壊といいます)。この現象は、規則的に起こり、炭素14原子の数が半分になるのに、5730年±40年(半減期)かかることが知られています。つまり、非常に正確な時計の役割を果たすことが出来るのです。
大気中の炭素14原子は少しずつ壊れて減っていきますが、上空で日夜生産されているので、大気中には(二酸化炭素と一緒に)いつも一定の量、炭素原子全体の約1兆分の1だけ存在することになります。海水や河川・湖沼の水の中にも、この割合で、炭素14原子が存在していることになります。
光合成をする植物は、この二酸化炭素を取り込むので、植物組織の中にも同じ割合の炭素14原子を含むことになります。また、この植物を食料とする動物や、食物連鎖を構成する動物・人間も同じ割合の炭素14原子を含むわけです。植物も動物も生きている限りは、その組織の炭素の中に1兆分の1の炭素14原子を持っているのです。
これらの生物が死んでしまうとどうなるのでしょう? 新たな炭素の取り込みがなくなるので、その時点から、炭素14は壊れる一方と言うことになります。5730年で半分になるのですから、遺物の中に1兆分の1あった炭素14が、その半分、2兆分の1になっていることがわかれば、その生命体は、5730年前に生命活動を停止した、ということがわかるのです。これが、炭素14年代測定法の原理です。
17 Apr 2008