オーガニック

Organic 2008

Canadian lumberjacks
午前4時、ハムエッグをいそいで飲み込み、オイルスキンジャケットを着込んでいるのは2年前にカメルーンからカナダに移住してきたレイモンド・バートランドさん(28)。
そこはケベック市から北西へ300km離れた林業マネージメント会社のキャンプ地。地元出身の林業労働者たちは家族と週末を過ごすためにそれぞれの家にもどっているが、彼の家族はモントリオールに住んでいる。家に帰ろうものなら車で7時間は有に要する。
キャンプ地に残っているのはレイモンドさんのようなアフリカ出身の労働者たちだけ。と言っても現在、90人の作業員のほとんどはアフリカ出身。彼らには週末はない。彼らは高収入の夏休みアルバイトを求めてこの山奥まで来ている。彼ら林業労働者たちは特大の雑木雑草を除去するためにブッシュ・カッターとパワーソーを使って一日中オートバイのような爆音を森の中に響かせている。それは小さな落葉性の木を切り倒し、高価で丈夫なもみの木を育てる作業である。
「ここは冬のようで、仕事も大変きつい」「仕事に慣れるのにも時間がかかる」と言うレイモンドさん。カメルーンの大学を卒業してフランス資本の銀行で働いていた彼はカナダに来てその経歴がほとんど通用しないことに気づいた。そこで彼は学位を取り直すために学費を稼ぎだす決心をした。
彼らの賃金は1ヘクタールあたり$500.-という歩合給。もし週に3から4ヘクタールの雑木雑草を除去することができれば、それはいい収入になるだろう。しかし、それは初心者には無理な話である。
朝5時にスクールバスに詰め込まれて、穴だらけのでこぼこ道を通って自分の作業場で降ろされる。ランチボックスは黒熊が近づかないようにすべて密封してある。食べ残しを現場に捨てることも厳禁だ。森の中は10年以上放置された雑木雑草だらけ。ヘビもいれば蚊にも刺される。強力な防虫剤も1時間もすれば汗で流れ落ちてしまう。それでもある作業員はマラリアにならないだけましだという。
そんな中で彼らは30年から40年で切り倒されるもみの木を選別する。もし雑木雑草を除去しなければもみの木の生長はその倍の年月を要するという。
午後6時半にキャンプ地にもどってくる彼らは、シャワーを浴び、夕食をとる。ロビーには就寝時間の9時までに寝つけない者のために1台のコンピューターが解放してある。ホームシックにかかった作業員がここからe-mailを使って家族と連絡を取り合うのである。
1 Sep 2008