オーガニック

Organic 2009

Logbooks yield climate bounty
18世紀の大航海時代、その英国海軍の航海日誌が過去200年の気候変動に新しい光を投げかけるかもしれない。
いま新しいイギリスのプロジェクトが1760年代までさかのぼり、300近い英国海軍のキャプテンたちが記録した航海日誌をデータ化している。それにはもちろんチャールズ・ダーウィンのビーグル号やキャプテン・クックのディスカバリー号のものも含まれている。
それらの航海日誌は来年、イギリス国立古文書館(The National Archives)のウェッブサイトで利用できるようになる予定だが、すでにそれらのデータを書き写しているサンダーランド大学の研究チームは「それらの航海日誌には日ごと、あるいは時間刻みで風速、風向き、気温や気圧など、大洋上の気候データが詳細に記録してあり、さらにそれらは時が経つにつれてその測定はより正確になっている」という。
これらの記録データは産業革命以降の気候変動パターンを調査している研究者には極めて重要なツールであることは言うまでもない。研究者たちはその記録データを相互参照して、将来の予測可能なデータと比較する。
サンダーランド大学の気候学者デニス・ウィーラ博士は「それらの記録は驚くほどよく観察されている」「命がけだった当時の船員たちはそれだけ注意深かったのだろう」「大洋で起こることは大気を大きく左右します」「したがって我々は将来の気候パターンを理解する上で大洋を理解する必要があるのです」と説明する。
国立古文書館のオリバー・モーリー氏は「かつて航海日誌は歴史家や海軍マニアのものでした」「そしていま科学研究のために再び使われようとしていることはとても素晴らしいことです」と語る。英国海軍の航海日誌は史的気候記録を作る地球の大気循環再分析プロジェクト(Atmospheric Circulation Reconstructions over the Earth)にも提供されるという。
5 Oct 2009