UEFA EURO 2008

Old Dutch School

この夏以来、チームOranje(オランダ代表)はジェットコースターのようなアップダウンを繰り返している。
アイルランドとの親善試合ではファン・ニステルローイとファン・ボメルの代わりにスティン・スカーとフンテラールが召集され、誰もがファン・バステン監督に疑いの目を向けた。しかし、結果は0-4とオランダが圧勝し、ファン・バステン監督は先見の目を持っていると思われた。
そしてユーロ2008予選の初戦、新たなチームでルクセンブルグへと乗り込んだオランダ代表は0-1で3ポイントを獲得したにもかかわらず、そのゲーム内容は最悪のものだった。ファン・バステン監督は後半の切り札としてスティン・スカーに代えてヘッセリンクを起用するも、彼のプレイヤーたちは自陣からロングボールを蹴り込む一方で、フンテラールにチャンスは一度も訪れなかった。
4日後のベラルーシ戦ではファン・ペルシーが2ゴール、1アシストして試合を終えたが、またもフンテラールはゲームに入り込めないでいた。それはチームのストライカーのポジションが困難なことを証明する。ゴールを期待されるストライカーはウィンガーにスペースを作らなければならず、同時に中盤ともリンクしなければならない。
これは2トップのシステムでは容易に機能するが、ファン・バステン監督がこだわる3トップ(1-4-3-3)のシステムに慣れていないスター・プレイヤーたちには難しい。2試合で幸運にも6ポイントを得るも、ファン・バステン監督への支持は低下していった。
そんな中、練習中のケガでフンテラールが代表から外れ、ブルガリア戦で1点失った後にカイトが早々と負傷退場すると、代わって入ったライアン・バベルが右のウィングに入った(バベルのアヤックスでのポジションは左ウィング)。
このとき初めて中央に置かれたファン・ペルシーだったが、初めはうまく機能しなかった。しかし、5分後にバベルとロッベンが左右入れ代わるとチームは一変。スウィングしはじめたオランダ代表は同点に追い付いた。そして。アルバニア戦ではまたもファン・ペルシーがその新しいポジションで輝きを見せる。それはフンテラールやカイトが戻って来たときの選択を難しくする。
このオランダ代表内のコーチとスター・プレイヤーたちの問題はKNVBが強く押し進める3トップのシステムにある。国外ではほとんど採用されていないそのシステムは国外に出ているプレイヤーにとって短期間でフィットさせるのは難しい。DFならまだしも、MFやFWにとってそれは容易ではないのだ。
ファン・バステン監督と彼の助言者ヨハン・クライフは3トップを擁護している。そこには良い面もあるが、今はその戦術にフィットしたプレイヤーを探さなければならないことが問題になっている。
14 Oct 2006

ワールドスポーツ

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