フットボール・ワールド

Real Triumph

南米リオのフラメンゴにとっては1981年リバプールFCに3-0で勝利した試合は今でも語り継がれるハイライトである。
一方、負けたマージザイドのサポーターには同じような感情はない。それはリバプールFCが負けたからではなく、当時のトヨタ・カップが栄光を与えられたチームのエキシビジョン・マッチのようなものだったからである。プレイヤーにしてみればシーズン中の日本への長旅は単なる気晴らし旅行にすぎなかった。
あれから25年。世界がより身近になり、極東でもワールドカップが開催され、欧州リーグの試合はアジアでも毎日のようにテレビで放映されている。時代は変わったのだ。その重要性はFCバルセロナのブラジリアン・スターも十分に認識している。そして、その危険性についても同じである。
南米王者のSCインテルナシオナルはポルト・アレグレでロナウジーニョが名を上げたグレミオのライバルチーム。SCインテルナシオナルがFCバルセロナと対戦することはマンチェスター・シティーがベッカムを有するレアル・マドリーと対戦するようなものである。
4年前にSCインテルナシオナルの社長に就任したフェルナンド・カルバーリョ氏はクラブ・ワールドカップこそが最大の目標と位置付けてきた。1983年ハンブルガーSVに2-1で勝利したグレミオに続いてトロフィーをポルト・アレグレに持ち帰ることが彼の念願である。そのためにアフリカCL決勝にアシスタント・コーチをも派遣した。
昨年の経験を持つエジプトのアル・アハリは危険な存在に違いない。それはFCバルセロナにとっても同じことだ。クラブ・アメリカに足下をすくわれる可能性もある。なぜならクラブ・ワールドカップはそのトロフィーを勝ち得る以上のものがあるからだ。
すべての金とスターを持ち合わせ、毎週のように世界のスクリーンに顔を出す馬上の騎士を引きずり落とすことを望まない人はいないだろう。
11 Dec 2006

ワールドスポーツ

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