ウルトラヒップ Ultra-Hip
Rock Stars are not DJs, but DJs are Rock Stars
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マドンナ(Madonna)はDJではない。でもそれは7th Ave. Southにあるクラブ「Luke and Leroy」に集まった数百人の聴衆にはどうでもよいことだった。彼等はマドンナと同じ空間を共有することで満足する。彼女は青いホールタードレスを着てターンテーブルの前に立ち、控え目に微笑む。その間、ジャック・ル・コント(Jacques Lu Cont)として知られている彼女のプロヂューサー、スチュアート・プライスが彼女の新作をダンス・フロアで披露する。彼女は時折ヘッドフォンをつけてポーズをきめるが、ターンテーブルには一度も触らない。フロアの音はすべてプライスが仕切る。
これは数カ月前にロック・スターDJを目玉にした典型的な金曜の夜のクラブ・シーンだ。「こういったDJセットのほとんどの音は何でもいいんだ。ただのカレンダー上のPRにすぎない」「だいたい自分の曲をかけるなんて、気のきいたDJとはいえないね。ローカル列車で自分のバンドのTシャツを着るより悪い」「ロックスターはミックスできないし、DJアートもリスペクトしない」とベテラン・レイヴDJのトミー・サンシャイン(Tommie Sunshine)は言う。
90年代、クリスマスにはギターよりもターンテーブルがよく売れた。そしてCDを300枚も持っていれば誰もがDJだと言う事ができた。今は足のはえたiPodがDJをしている。「iPodでDJをはじめるとき、君が語れる事は24時間前にiTunesからそれをダウンロードしてきたということだけ」「それがレコードならもっとエピックなストーリーを語れるはずなのに」
15 Feb 2006