ウルトラヒップ Ultra-Hip
「Grbavica」
ヤスミラ・ズバニッチ（Jasmila Zbanic）監督のボスニア映画「Grbavica」（グルバヴィツァ）がベルリン国際映画祭最高のGolden Bear（金熊賞）を受賞した。「Grbavica」はオーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ、クロアチアの合作品。ボスニア紛争の際にレイプされた女性がそれにより生まれた子供を育てるために夜のクラブで働き生計を立てる。思春期を向かえた娘は親の言うことをきかず、何かと反発する母子家庭の人生模様を描いた作品だ。
「Grbavica」（グルバヴィツァ）はボスニア紛争で激しい市街戦のあった街の一つ。現在、街は修復されてはいるが、いたる所で戦争の砲弾の傷痕は残る。「あれから13年、スレブレニツァやサラエボでの大量虐殺容疑で指名手配されているラドバン・カラジッチ（前セルビア共和国大統領）やラトコ・ムラディッチ（セルビア人勢力軍司令官）は今もヨーロッパのどこかで自由に生き延びているわ」「そしてサラエボ包囲攻撃の間に二万人の女性がボスニアでレイプされた事は何も記録されていない」「ここはヨーロッパ、なのに誰もそれらを記録する事に関心をもたないの」とズバニッチ女史は言う。
18 Feb 2006
