ウルトラヒップ Ultra-Hip

Afghan Gangsta Rap

「みんなそれは歌じゃない。だって、この男はしゃべっているだけじゃないかって言っているよ」と、あるアフガニスタンの若者が言う。
その若者は洋服を身につけ、超低音とドラムループをカーステレオで鳴り響かせラップする。さながらアメリカン・ギャングスタのように。ただ違うのは彼のラップはダリ(Dari)と言われるアフガン・ペルシャ語で場所はカブールと言うこと。
「I like it very much!」「いままでは俺みたいな英語を知っているアフガンの男たちが外国のラップ音楽を聞いていたけど、今俺達は自分の言語でラップしている」と語るのは、小柄な28才のアフガニスタン唯一のラップスター、DJ Besho(ベイショー)。本名はBejan Zafarmal(ベジャン・ザファルマル)。Beshoはダイヤモンドを意味する。
DJ Beshoはフランクにアメリカのストリート・スラングを織り交ぜながら英語を話す。彼のファースト・ビデオは白いスーツを着てHummerを乗り回しながらラップするありきたりのラップスター・ビデオだが、何か新鮮なものを感じさせる。それは言語なのか彼のバックグラウンドによるものなのかはわからないが、宗教的な影響でおきまりのセクシーな女性を露出しないせいかもしれない。
タリバンの支配が終って5年、アフガニスタンの主要都市にはインターネット・カフェもでき、100万人以上の人が携帯電話を所有するようになっても、まだまだ国民の多くは保守的だ。自ら保守的ではないと話す31才の男性でさえ「こういった音楽はアフガニスタンの伝統音楽を破滅させる」と言う。人口の60%は20才以下と言うこの国の中で年齢層のギャップが生じていることもラップがもてはやされる理由だろう。もともとラップは若者の欲求のはけ口なのだから。
10 May 2006
DJ Besho first Video link

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