ウルトラヒップ Ultra-Hip

Exit Festival

セルビア・モンテネグロのNovi Sad(ノビ・サド)で行われている音楽祭がバルカンの新しい時代を象徴する。
ノビ・サドを流れるドナウ川の中州にある古城で開催されている「Exit Festival」。中州に渡る橋は未だNATO軍の空爆によって破壊されたままだ。モンテネグロの独立が決まった今、新しい国家の門出を祝うかのように戦争の傷跡を残したセルビアの若者達が音楽祭に集まる。
フェスティバルのオーガナイザーはそれがあたかも臨時の国家のごとくチケットの代わりにパスポートなるものを発給した。集まった若者の一人はユーゴスラヴィアこそが唯一、血で描かれない国境を持った国だったと言う。2000年に故ミロシェヴィッチに対する反対運動から派生したこのフェスティバルも今年はヨーロッパ各地から150,000人が集まり、過去最大になるだろうと言われている。
主な出演者はMorrissey、Franz Ferdinand、the Pet Shop Boys、Scissor Sisters、Billy Idolなど、DJはJeff Mills、Dave Clarke、Hernan Cattaneonなど、彼らが4日間の音を作り出す。そして、忘れてならないのはご当地のバルカン・ミュージック。フェスティバルのワールド・ステージではベオグラード出身のジプシー・グループ「AMARO DEL」が大人の哀愁を漂わせる。
中州のほとりには音楽祭に集まった観客の無数のテントが張られ、またテントの横には無数の旧ユーゴスラヴィア国旗が川風になびいている。
6 Jul 2006

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