ウルトラヒップ Ultra-Hip

Fashion from the favelas

ブラジルの不法定住者地区の総称「ファヴェーラ」のファッション・ショーがサンパウロ・ファッション・ウィークで披露された。
1993年に設立されたブラジリアン・グループ「AfroReggae」はリオのスラム街に住む若者をギャング闘争や麻薬から遠ざける活動を行ってきた。後に、彼らはレゲエ、ヒップホップ、ロック、ブラジリアン・パーカッションを融合させたファヴェーラ・ミュージックを世界中に知らしめたのである。その軌跡はドキュメンタリー映画「Favela Rising」で見ることができる。
音楽で成功を収めたそんな彼らが今回地元のデザイナーと共に「AfroReggae」初のブランドと言えるコレクションをサンパウロで発表した。それらは非常に色彩豊かでカジュアルであり何の見栄もない。
デザイナーのマルセロ・ソマー(Marcelo Sommer)は「ブランドのない彼らをクリエイトすることは本当にやりがいのある仕事だった」と語る。
「AfroReggae」のリーダー、アンダーソン・サーは「そこには暴力があり、我々はそれから逃れることはできない」「でも、ファヴェーラはシックでブラックで美しく、幸福や愛もあるんだ」という。
「AfroReggae」を一言で要約すれば、それは自尊心(self-esteem)であるという。彼らにとって最も重要なことはファヴェーラの若者たちに自尊心を持ってもらうことである。
彼らのコレクションが市場に出回るようになれば、そのブランドも継続できる。ファヴェーラで絶え間なく起こっている暴力や麻薬闘争を引き止める最良の方法は多くの警察官を路上に配置させることではないのだから。
AfroReggae
16 June 2007

Ultra-Hip

ウルトラ・ヒップな話題を紹介します。