ウルトラヒップ Ultra-Hip

"Live Forever" Elizabeth Peyton

1965年コネチカット州ダンベリーで生まれたエリザベス・ペイトンの描く肖像画は小さい。その油絵のほとんどはB5サイズほどで、そのスタイルは1993年、チェルシーホテルの彼女の部屋ではじめて個展を開いたときから変わらない。そんな彼女の15年の集大成となる展覧会がニューヨーク、バワリーにある「New Museum」で開かれている。
エリザベスは雑誌あるいは自分で撮影した写真をもとに、ファッション・スケッチのような単純な方法でけだるい若者を描く。抽象的なモチーフはヴィヴィット・カラーで大胆かつ流動的な筆遣いで描かれ、彼女の熟練したテクニックは個々のキャラクターよりも形やジェスチャーに調和する。そんな彼女をアンディ・ウォーホール以後の最も現代的な肖像画家とする人も少なくない。
その展覧会はまるで神話の窓を覗いているような錯覚を受ける。イギリスのアーティスト、ジェイク・チャップマンがオレンジのショートヘアで登場し、若き日のデイヴィッド・ホックニーがサングラスの奥から見つめる。ニルヴァーナのカート・コバーンもいれば、母親をエスコートするシド・ヴィシャスの姿もある。
エリザベス・アーデン、ジョージア・オキーフらの数多くの著名人、そしてファッションデザイナーのマーク・ジェイコブスのような友人など、エリザベス・ペイトンの理想とするスタイルはその肖像画によって表現される。「誰の真似もしたくない」と語る彼女は「Live to Ride」と書かれた赤いTシャツを着て"gemine"を演じ続けるだろう。
21 Oct 2008

Ultra-Hip

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