オーガニック

Organic 2007

Power vacuum
中央アフリカ共和国から逃げて来た難民がチャド南部辺境の村へ流れ込んでいる。
4年前に国民投票で新憲法が承認されて以来、中央アフリカ共和国から何千という人々がこの村を通って逃げていった。彼らはほとんど何も持っていない。身を守りながら身体ひとつで茂みを渡ってくる。
そんな彼らに少ない食料と水を分け与え、寝る場所の世話をしている村長は「私たち自身食べる物はキビとピーナッツぐらしかない」「それでも私たちは分かち合わなければならない」という。
山賊に家畜を奪われたという難民家族は大人は木に縛り付けられ、子供は誘拐され虐待された。食料家畜をすべて渡さなければ、みんな殺されていただろう。彼らは他の難民たちと一緒にトラックを待って、キャンプ地へ送られる。
2003年にフランソワ・ボジゼ大統領の統治下になって以来、チャド南部の難民キャンプで暮す人は5万人近くに膨れ上がった。難民たちは反乱軍と政府軍、両方の兵士が非武装の一般市民を攻撃しているという。
昨年、マーケットで政府軍の兵士に3人の息子を射殺された母親は「前のフェリックス・パタセ大統領(Ange - Felix Patasse)は私たちの1人だった」「でも、今の大統領は違う」と嘆く。
2週間前に反乱軍から逃げて来たという学生は「彼らは50人ぐらいで、みんな銃を持っていた」「何人かはここにたどり着いたけど、他の人たちはまだ茂みの中を逃げ隠れている」と説明する。
国連の難民援助機関であるUNHCRの救援隊員は「中央アフリカ共和国北部は無政府状態にあり、その武力浄化をコントロールできなくなっている」と報告している。
ユニフォームを着用しない彼らは山賊、反乱軍、政府軍の区別が難しい。2007年の終わりには更に2千人以上の難民が出ると予測されているが、その数は1万になる恐れもある。
9 Mar 2007