オーガニック

Organic 2008

Striking a chord
パキスタンで女性だけのバンド「Zeb and Haniya」が反響を呼んでいる。イスラマバードやラホール、カラチで活動する彼女たちは幼い頃からごく自然に家族と共に音楽を楽しんできた。
オルターナティブ、アート・フォーク、エスニックブルーズ、ワールドミュージック、イージーリスニング、彼女らの音楽を一つのジャンルに限定することは難しい。多くのミュージシャンはボりウッド映画やポップ・ミュージックに影響を受ける中で2人のような音楽は非常に新鮮味がる。
しかし、その他多くの職業と同じくパキスタンの音楽業界も未だに男性優位が存在し、女性にとってそれは非難の目を受け得ることでもある。
過去にパキスタンで女性アーティストが存在しなかったわけではない。80年代には「Nazia Hassan」がポップ・ミュージックでその壁を破り、彼女の後に続いたアーティストも何人かいる。女性だけと言うだけで話題性は十分で、そんな彼女らのデヴューアルバム「Chup(Quiet)」は地元紙に絶賛された。
そして何よりも世間を驚かせたのは彼女らの出身地だった。「Zeb and Haniya」はパキスタン北西部の町コハット(Kohat)出身のパシュトゥーン系遊牧民族(Pashtuns)であり、そこは近年アルカイダと密接な関係があると言われている地域だ。
「Zeb and Haniya」が始まったのは5年前、アメリカの大学にいたときであった。2人はいくつかの曲をレコーディングしてネット上にアップした。彼女らがパキスタンに帰国したとき、それらの曲はすでに地元FMラジオで放送されていて、それがアルバムを制作するきっかけとなったのである。
多くの友人やミュージシャンたちの手助けを経て期待以上のものが出来上がったという2人。最初のコンサートではやじられたりもしたが、その音楽への反響は上々であった。
「私たちは政治には関与していません」「でもパキスタンの女性として国外にその固定観念を追い払うことは重要だと感じています」「パキスタンの女性たちは差別に直面していますが、私たちはそれに抵抗する力は十分にあると信じています」「ミュージシャンとしてそれは特に明確です」
26 Dec 2008