ウルトラヒップ Ultra-Hip
Tsotsi
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今年の外国語映画賞でオスカーを獲得したのは南アフリカのギャビン・フッド監督による映画「Tsotsi」。
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Tsotsi(ツォッツィー)は子供の頃からヨハネスバーグ近郊のスラム街で自活してきた若いギャングスター。彼は親の愛情を受けられずに育ち、思いやりのかけらもないストリート・チルドレンとして殺人や強盗を繰り返し生活していた。ある晩、彼は裕福な黒人女性の自動車を盗むが、走り去る途中で後部座席に赤ちゃんが乗っていることに気付く。ツォッツィーはその子をショッピングバッグで運びまわりながら世話をしようとするが・・
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「Tsotsi」は有名な南アフリカの劇作家Athol Fugard(アソル・フガード)による小説に基づいている。彼の本はアパルトヘイトが蔓延する1950年代に書かれたもの。それをギャビン・フッド監督は貧困とエイズに苦しむ現代風にセットした。「この映画で語りたいことは、持てる者と持たざる者の間のギャップで人種問題ではない」「どこにでも居るような若者が彼自身のアイデンティティーと戦う映画を作りたかった」と語っている。監督自身、2004年のブラジル映画「City of God」に影響を受けたことを認めている。しかし、彼はこの映画の甘さのない容赦のメッセージがオスカーに輝いたと信じている。
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「マンデラ、フレデリック・ウィレム・デクラーク、デズモンド・ムピロ・ツツは真実と和解をもって我々を連れ戻し、彼らは私たちに救いと個人責任、そして容赦と言うものを教えてくれた」「そして、それらは私たち南アフリカの人々が誇れるテーマだと私は思っている」「それがTsotsiの核心にあるんだよ」
6 Mar 2006