Deuce Seven on street art
本名を明かさないデュース・セブンがスプレー缶をバックパックに詰め込んで、初めてニューヨークに来たのが1月10日。3週間半の滞在中、ひょろっとした21才の青年はストリートの写真を撮りながら、自転車で街中を移動し、街をペイントして帰っていった。
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デュースの残した作品がフリッカー(Flickr)や街で話題になりはじめた頃、ブルックリンでは彼がペイントしたドアが消えてなくなり、ソーホーのアートギャリーに出された彼の作品は$2,200.-の値を付けた。
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「ザッツ・クレイジー!」「僕は600ドルぐらいで売ってほしいと頼んだんだ」と、驚くデュース。今、彼はまたニューヨークに戻って来ている。今月いっぱい滞在する予定の彼は「暖かくなる前に仕事を終らせないと、夏になると警官や邪魔者がたくさん増えるからね」という。
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確かに凍えるような冬の間、ニューヨーク・ストリート・アートの活動は鈍る。その点、ミネソタから来ているデュースは有利かもしれないが、彼が注目されている理由はそれだけではない。先週末にスタッテン島の使われなくなった病院をペイントしたデュースの絵はヒンズーの神、巨大昆虫、またはアジア、ネイティブ・アメリカンのようななテイストがある。
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今回は50色のスプレー缶を持って来たというデュースを地元ブルックリンのアーティスト、セルソ・トレヴィノ(Celso Trevino)は「彼のカラーパレットは通常我々がここで見ているストリート・アートよりも幅広い」「普通彼らは自分のポスターを持って街へやって来て、ちっぽけなキャンペーンをして帰ってゆく」「でも、彼の作品の素晴らしいところはすでにそこにあるストリート・アートと仕事をするところにある」と、絶賛する。
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今回、デュースの旅費はミネアポリスのSoo VAC(Visual Arts Center)が支払った。ミネソタで引っ越しを済ませた彼の家賃はゼロ。代わりに家をペイントすることになっている。
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「Deuce Seven」という名前について彼は語る。「27はラッキーナンバー」「それに若くしてこの世を去った偉大な芸術家やミュージシャン、バスキア、カート・コバーン、ジミ・ヘンドリクスらの年齢は不思議と27なんだ」「僕は長生きしたいけどね」
13 Mar 2007